飲食店の集客方法~広告の前にやるべきこと

中華料理

飲食店ほど競争の激しい、そういう意味では「難しい商売」も他にないと言えるでしょう。

コロナ禍では、小規模飲食店は給付金で大儲けしましたが、中規模店は大打撃を受けたところも少なくありません。

飲食店

飲食店の経営が難しい理由

飲食店の経営が難しい点として、出費を減らす時に一番最初に減らすのは外食費であるという現実があります。

営業時間の他に仕込みや清掃もあり、労働条件も環境も極めて厳しい飲食店。接客が少しでも不適切であれば、お客様は二度とやって来ません。

飲食店

お料理がおいしくリーズナブルであり、しかも、高品質のサービスを提供し続けなければ、いくら客引きやクーポンで集客をしてもうまくいかないのが飲食店経営なのです。

ちなみに、私はほぼ毎日外食ですが、苦手な飲食店はこんな感じ・・・

  • 空いている席に座らせてくれず指定される
  • トイレが汚い
  • タバコの煙がモクモク
  • コートを壁にかけるとタバコ臭くなって大変
  • 料理がくるまで長い
  • 量が少ない
  • 店主がいばっている
  • サラダなどを放り投げるように出す
  • ガチャガチャと音を立てて食器を回収している
  • 虫やゴキブリがいる

逆に言えば、これらの条件が逆になれば、お気に入りのお店になってしまいます。このような環境があって初めてPRが生きるのだと思います。

飲食店ができるマーケティングとは?

当たり前ですが、飲食店は立地です。どんなに平凡なお店でも、駅前にあればそれなりの人は入ります。駅前がベストですが、正確に言えば、ターゲットとなるお客様がたくさんいる場所ということになります。学生街に高級フレンチや、1500円のコーヒーを出すラウンジを出店しても、なかなか難しいということです。

次に、SNSを使ったPRがあります。

飲食店のホームページを上位表示させるのは非常に困難です。ほぼ100%、ぐるなび、食べログのような大手ポータルで比較にされますので、ホームページからのPR力は低いものになります。

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よって、今は、MEOと呼ばれるGoogleビジネスプロフィールからの発信と、Instagramの利用が必須になります。

ただ、写真を並べてきれいなSNSを作っても、写真上で表現できる料理はどれも似たようなものになってしまいます。よって、ビジュアルだけでなく、コミュニケーションを組み合わせ、たとえば、店主や可愛い女性店員、イケメン男性店員の顔を見せるなどの戦略が重要視されます。

ちなみに、飲食店のホームページを持つ場合、大切なのは地図です。グーグルマップを貼り付けるだけではなく、駅の出口番号、そこからの目印、歩き方を写真で示すだけで、親切、便利さをアピールできます。

飲食店が売上を上げるためにやるべきこと

まずは前提条件があります。料理やサービスの質が悪ければ、何をしても無駄です。そして、料理がおいしくても、集客戦略がなければお店を知る機会もありません。その全てを頑張っていても、そもそも立地、ターゲティングがおかしい場合も成果がでません。

それらが整った上で、飲食店が売上を上げるために、まず取り組むべきことはリピート率を上げることです。

人が入っている店は、集客もできるようになります。一度でも入ってきたお客様を大切に育てリピーター(常連)にすることこそ、飲食店繁栄の鉄則です。

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リピーターを育てるための原則。自分が繰り返し行く飲食店を考えれば、すぐにわかります。

そもそも、外食は頻繁に利用する人と、殆ど利用しない人とに分かれますが、繰り返し行く人は以下の点を重要視しています。

当たり前のことですが、これができているお店は中々ないものです。

リピーター(常連)を掴むために必ずやってもらいたいこと

そのお店にしかない料理とお酒

「美味しい!」と心から思える料理に出会うことは滅多にありません。美味しいと思える料理がそこそこのお値段で食べられれば、そのお店には通い続けてくれるでしょう。

うーん、別においしくないけどこの値段?

となれば、もちろんリピートはありません。一見さんのみを相手にすることになるでしょう。そうなれば3年以内に廃業する可能性が高まります。居酒屋さんで卵焼きを頼んだら、いかにもチンしただけのものがでてきた・・・、そんな店にリピーターがつくことはないでしょうね。

従業員の接客

注文を受ける従業員のいい加減な接客、お客様をあしらうような、面倒くさそうな態度が一回でも見えれば、二度とそのお店にいくことはないでしょう。また、お待ちくださいと言っていつまでも来なかったり、会計金額を間違えたり、従業員同士の私語も悪印象です。

また、人によっては、従業員と話をしたい人もいれば、話しかけてもらいたくない人(面倒、一人にしておいてほしい)がいます。お客様の表情をうかがい、適切な対応ができる細やかさも必要です。

そして、もちろん明朗会計であることです。呼び込みに雑居ビルの居酒屋に連れて行かれ、お通し一人1500円なんて店がありますが論外だと思います。また、キャッシュレスも当然で、PayPayが使えないだけで避けるという流れもできつつあります。

店の雰囲気

清潔であること、トイレがきれいなこと、適度な明るさで話しやすい空間があること。トイレは男女分かれていて複数あることが望ましいですが、共同で一つの場合には特に清掃に気を使っていただきたいです。

細目に点検し、きちんと消毒洗浄することでお店のイメージはよくなります。

また、テーブルや椅子の汚れ、テレビの誇り、壁のシミ、たばこ臭さ、気をつけていただきたい事はたくさんあります。注文を受けた際の、大声の復唱も迷惑に感じる場合もあります。お店の独りよがりであることも多いので、適切にという意識が大切です。

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駅からの距離は関係ない?

コラムの冒頭で「飲食店は立地」と書きました。集客において、これは事実です。ですが、立地が良ければ家賃が高くなり、その分、たくさんの数を売らなければいけません。

と言うことは、家賃の安い、駅から20分以上も離れている場所で大繁盛させることができれば、それがイチバン良いということにもなります。実際、そういうお店もありますから、駅から遠いからダメという理由にはなりません。

駅の近くにやってくるお客様と、駅から20分の距離があるお店にやってくるお客様とは属性が違います。近所の住民、近所の中小企業、車でわざわざ食べに来る人などがターゲットでです。看板料理などの差別化が重要になってきます。

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飲食店の集客方法・3つの改善

飲食店の差別化は、3つ行う必要があります。

あなたの改善

あなた自身が個性豊かな「お客様に愛される存在」なりましょう。私がよく通っている居酒屋のおかみさんは、とても個性あふれる九州の女性です。私が訪れるともちろん顔を覚えていてくれて、愛想よく接してくれます。

お勧めの料理があれば教えてくれますし、ちょっとしたおまけをしてくれることさえあります。常連気分が味わえるだけでもとても気持ちが良いものです。

あなたは、「あの人に会いに行こう」と思われるような存在になっているでしょうか?

提供方法の改善

飲食店はただ飲食をするだけの場所ではありません。外食というひとつの「エンターテインメント」であることも、忘れてはならない要素です。

セルフサービス、デパ地下のように試食や試飲ができる、グラスが凍っている、氷が丸い、自転車置き場がある(お酒を出さない場合)、挙げればキリがありませんが、他店、他の業界では当たり前のようにやられていることを飲食店に持ち込んでみるという工夫が必要なのです。

盛り付けが特殊であったり(それを頼むことによって優越感が増すなど)、キャベツだけ食べ放題であったり、ひとつの工夫が大きな差別化を印象づけてくれます。

提供するメニュー・素材の改善

飲食店はつい、この技術的な部分に目がいきがちになります。職人指向の方ほど、ここに目がいってしまうのです。逆にオーナー志向の強い方は、LINEやInstagramなどのマーケティングに強い関心を示す傾向がありますが、大切なのは「リピーターを離さないこと」、そして、近所を歩いている人に入店してもらうことからです。

上の2つの改善を行った後に、最後に、一品だけ「目玉料理」を作ってみましょう。私がよく行く中華料理屋さんがありますが、私の頭の中では「担々麺屋さん」という名前になっています。それほど、そこには担々麺を食べに行くというイメージしかないのです。もちろん、実際に行けば、餃子やビールも注文してしまうわけですが。

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飲食店の集客方法・まとめ

仕事で久しぶりの商店街を歩くと、驚くぐらい飲食店が入れ替わっていることが珍しくありません。それぞれのお店には店主の夢があったはずです。売り上げが思うように上がらず、閉店に至ってしまったのかと思うと、とても辛い気持ちになります。

安いだけ、画一化されたサービスだけが消費者のニーズではありません。あなたらしいあなたの夢をかなえるお店を、あなたの手で手を抜くことなく、しっかりと創ってください。私はそういうお店が大好きです。たくさん個性豊かなお店を開拓して、ランチやディナーを楽しみたいと思います。