カルピス買収劇に学ぶ海外集客策~自力あってこそのパートナー...

マーケティング
2012-05-12

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東アジアでは「ワイン」がブームになるなど、世界は確実に豊かになっています。従来は生産拠点として発展途上各国に進出した先進各国の企業ですが、今では「新しい市場」を求めるための進出が多くなりました。ですが、そこでは既に世界中の企業同士、そして地場新興企業との激しい競争にさらされます。海外進出に伴う投資を回収するためにも、実行には綿密な戦略立案が極めて重要となります。

2012年5月11日付の日経MJ(流通新聞)1面に、アサヒグループホールディングスが、味の素の子会社で飲料大手の「カルピス」を買収したニュースが掲載されています。アサヒが味の素から全株を約1200億円で取得する、この飲料業界過去最大規模のM&Aには、中小企業も参考にするべきことがたくさんあります。ここではアサヒの海外事業戦略について考えてみたいと思います。

カルピスは1991年の米国を皮切りに海外で飲料事業を開始しました。記事によれば、現在では、欧州や中国など7カ国に拠点を持ち、海外販売比率(11年3月期)は約25%に達するそうです。大きな市場を持っているのですね。

同社の強みは、アサヒが特に重要視しているインドネシアやベトナムなどの東南アジアに根を下ろしている点とのことです。記事では、「インドネシアでは子どもでも買える価格帯にした現地版カルピスウォーター「カルピコ」が人気を集め、ベトナムでは品切れする店が続出している」と、そのブランドの強さを紹介しています。

私は、昨年までおよそ15年間、某企業にて、工業製品を世界各国の地場企業に卸す海外営業を仕事にして参りました。現在はその経験や人脈を活かし、中小企業向けの海外取引先開拓の支援などを行っているわけですが、その経験から知っていることは、アジアへの海外営業の世界では、「価格」と「ブランド認知度」が大変重要な要素を占めており、流通が主導権を握る国内市場とは、様相が異なるということです。

一般的に国内での販売促進では、家電の世界で言えば大手量販店、日用品ではホームセンターというような「小売店」の影響力が非常に強く、それら有力小売店に優遇され、露出を増やすことに成功したブランドや商品は、一定の成果を得ることができる「販売力>ブランド力」の図式が成り立ちます。対して、アジアを中心とした海外市場では、上述のように「価格」と「ブランド認知度」が先行します。価格競争力とブランド力は、市場での歴史により前後する関係ですが、「販売力>ブランド力」となることは殆どありません。(※業界により一部例外もあり)

実際、多くの日本中小企業が、現地代理店を経由しての拡販を試みるのですが、その殆どは上手くいきません。上述のように海外では、まずは「商品(価格競争)力」と「ブランド力」、次に「販売力」が問われるものだからです。ブランディングとマーケティング、プロモーションは根本的に異なる技術です。海外経験の浅い経営者は、その事実を中々受け入れることができないものです。

カルピスの強みは、既にブランドが浸透していることです。これは海外市場攻略において「絶対的な強み」であり、アサヒが味の素の販売網ではなく、カルピスのブランド力に目を付けたことも極めて納得できることです。記事で紹介されている極めて重要なポイントとして、「子どもでも買える価格帯にした現地版カルピスウォーター「カルピコ」が人気を集めている」という点があります。子供や学生に商品を使わせて認知させることは、長期的なブランド浸透を実現する上で極めて重要な戦略になります。思い切った低価格で子供向け市場に切り込み、商品認知度を高めることに成功したカルピスの戦略は、まず商品力を高め、流通がそれについてくる形で拡大した好例と言えるでしょう。

記事では、この先のアサヒによるカルピスの海外販売について、「不安要素は販売網の維持・拡大。これまではアジア域内に販路を確立していた味の素がカルピスの販売を担っていた。アサヒは10月までに新たな委託先を見つける方針。そのパートナー選定が、「切り札」の価値を左右しそうだ」と解説しています。十分に認知度が高まったカルピスブランド、次はいよいよ販売力の更なる向上が問われるステージです。ブランド認知度にあぐらをかき、既得権を甘受するようなパートナーを選んでしまえば、ブランド力は徐々に衰退、劣化し、取り返しのつかないことになってしまうでしょう。一流メーカーであるアサヒのパートナー選定のプロセスに注目しています。

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